セッションと安全側の既定#
セッション#
context.session().put("user_id", 42);
// 明示的に保存する(要件 F-S-02)。自動保存はしない
context.session().save();
自動保存はしません。 save() を呼ばなければ書かれません。
「読んだだけのリクエストで毎回書き込む」を避けるためです。
保存先は application.conf で選びます。
session {
store = "db" # none | db | redis | cookie
cookie_name = "sid"
}
| store | 向いているところ |
|---|---|
none |
セッションを使わない(既定) |
db |
サーバーが複数台。DB がある |
redis |
サーバーが複数台。速さが要る |
cookie |
サーバーに何も置きたくない。中身は署名される |
CSRF#
path("/form", () -> {
/*
* 状態を変えるものだけ検証する。
* GET / HEAD / OPTIONS / TRACE は素通しする(Csrf.SAFE_METHODS)。
*/
before(Csrf::verify);
get("", FormController::show);
post("", FormController::submit);
});
Csrf::verify を before に置くと、その下のルートが守られます。
GET HEAD OPTIONS TRACE は素通しです(Csrf.SAFE_METHODS)。
トークンは context.request().csrfToken() で取り、フォームの hidden に入れます。
Flash#
リダイレクトの先へ1回だけ渡すものです。
context.flash().put("message", "保存しました");
context.response().redirect("/");
読んだ時点で消えます。Cookie に署名して入れています。
Cookie の既定は secure = true#
jimble の Cookie は既定で Secure が付きます。HTTPS でしか送られません。
ローカルは http なので、そのままだとブラウザが Cookie を返しません。 セッションも CSRF も Flash も、エラーを出さずに効かなくなります。
これは静かに壊れる典型なので、jimble は env=local かつ cookie.secure = true
のときに起動時に WARN を出します。
cookie.secure = true のままです(env=local)。
ローカルは http なので、ブラウザは Cookie を送り返しません。
application.conf に次を足してください。
cookie { secure = false }
jimble new の雛形には最初からこの節が入っています。
本番へ出すときは消してください。
Cookie#
// 30日
context.cookies().put("last_post", String.valueOf(id), 30L * 24 * 60 * 60);
String lastPost = context.cookies().get("last_post");
書いた値は同じリクエストの中で読み返せます。 受信した Cookie しか見えないと、 発行したばかりの CSRF トークンを読み直すたびに別のものが出てしまうためです。
署名を付けたいときは Cookies.sign(value) で署名し、put(Cookie, 平文) で入れます。
読むときは context.cookies().get("名前") か context.request().cookie("名前") です。
署名が合わなかった値はここに入りません(改ざんされた値がアプリに渡らないようにするためです)。
注意
unsignCookie("名前") は署名を検証しません。
名前に反して、返るのは受信した生の値です。無いときは null ではなく空文字が返ります。
検証済みの値が要るなら cookie("名前") を使ってください。
鍵は application.conf の cookie.secret(Cookie セッションは session.secret)で、
本番では環境変数から渡してください。
cookie {
secret = ${?COOKIE_SECRET}
}
鍵を設定しないと、署名の機能が丸ごと効きません。 例外は出ず、Cookie は普通に読み書きできるので、 効いていないことに気づく手がかりがありません。起動時に警告を出しています。
鍵を入れ替える#
鍵は入れ替えられます。誰もログアウトしません。
新しい鍵を secret に、いままでの鍵を previous_secrets に書きます。
書くのは常に secret、読むときだけ previous_secrets も試します。
cookie {
secret = ${?COOKIE_SECRET} # 新しい鍵
previous_secrets = [${?COOKIE_SECRET_OLD}] # いままでの鍵
}
session {
secret = ${?SESSION_SECRET}
previous_secrets = [${?SESSION_SECRET_OLD}]
}
手順は3段です。
- 新しい鍵を先頭にして、いままでの鍵を
previous_secretsに残す。 デプロイします - 待つ。 アクセスしてきた人から順に、古い鍵の Cookie が新しい鍵で書き直されます
previous_secretsを消す。 もう一度デプロイして完了です
いつ 3 に進めるか#
勘で決めないでください。 古い鍵で読めた回数がメトリクス(Metrics.snapshot())に出ます。
| 名前 | 意味 |
|---|---|
cookie.stale_secret |
古い鍵で署名された Cookie を読んだ回数 |
session.stale_secret |
古い鍵で暗号化されたセッションを読んだ回数 |
これが増えなくなったら、古い鍵を捨てられます。 起動ログにも本数が出ます(鍵=cookie=2, session=2)。
2 のままなら入れ替えの途中、previous_secrets を消し忘れていればここで気づけます。
いつまでも 0 にならない場合は、その分だけ「たまにしか来ない人」が残っているということです。
Cookie の寿命(cookie.max_age。既定は1年)が過ぎれば必ず消えるので、それが最長の待ち時間です。
自分で書いた Cookie は自分で書き直してください#
枠組みが出す sid と csrf_token は自動で署名し直します。
アプリが cookies().put(...) で書いた Cookie は自動では書き直しません——
有効期限をいくつにすべきかは、書いた側にしか分からないためです(ブラウザは有効期限を送ってきません)。
if (context.cookies().isStale("last_post")) {
context.cookies().put("last_post", context.cookies().get("last_post"), 30 * 24 * 60 * 60);
}
書き直さなくても読めますが、その Cookie が消えるまで古い鍵を捨てられません。
パスワードの鍵は入れ替えられません#
cipher.key と hash.password.pepper はこの仕組みの対象外です。
これらで作った値は Cookie ではなく DB のパスワードカラムに入っていて、
書き直せるのはログインに成功した瞬間だけです(平文がそのときしか無いため)。
つまり、しばらくログインしていない人がいる限り古い鍵を捨てられません。
替えるなら、アプリ側でこうします。
- 新しい鍵で
createHashするように切り替える - ログイン成功時に、古い方式のハッシュだったら作り直して保存する
(
check(input, hash, encrypted)で方式を指定して照合できます) - 全員が入れ替わったことを確認してから古い鍵を捨てる
3 を確認する手立ては jimble にはありません。「最終ログイン日時が古い人を数える」など、 アプリ側で持っている情報で判断してください。
パスワード#
PasswordUtil は BCrypt でハッシュ化します。そのうえで暗号化するかどうかは選べます。
String hash = PasswordUtil.createHash(password);
if (PasswordUtil.check(input, user.getString("password"))) {
// 一致した
}
hash {
password {
# 既定は cipher.key があれば true、無ければ false
encrypt = true
pepper = ${?PASSWORD_PEPPER}
}
}
cipher {
key = ${?CIPHER_KEY} # 16 / 24 / 32 バイト
iv = ${?CIPHER_IV} # 16 バイト
}
既定は「鍵があれば暗号化する」です。 固定の false にすると、暗号化されたハッシュを
保存している既存のアプリが、鍵を設定しているのに平文として照合してしまい、
全員ログインできなくなります。 どちらで動いているかは起動時のログに出ます
(パスワード暗号化=あり)。明示したいときは encrypt を書いてください。
暗号化を後から入れる・外すときは、保存済みのハッシュを作り直す必要があります。
createHash(password, encrypt) と check(input, hash, encrypted) で片方ずつ指定できます。
CipherUtil は AES/CBC で IV が固定です。既に保存されている暗号文を読むために残してあります。
新しく暗号化するものには使わないでください。 同じ平文が必ず同じ暗号文になり、改ざん検知もありません。
新しく作るものは Aead(AES-256-GCM)を使います。